- 作者: 貫井徳郎
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2003/02
- メディア: 文庫
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移植された心臓は、ドナーの記憶を持っているか?
夢に現れた記憶だけを頼り、タブーであるドナーの家族との接触を図り、近代医学の闇に直面する。
というちと重めのテーマではありつつ、主人公のキャラ設定のせいか、読み口はさわやかで軽め。
ミステリーっぽくは仕立ててあるけど、脳死や臓器移植という遠くて近い問題を、自分に置き換えて考えられる本。
自分ならどうするだろうと、このテーマについては何度も考えてきたけど、未だにわからないなー。
自分が死んでしまっても、誰かの中で生き続けられる、と考えられるか、でも自分じゃない、それが却って辛いとなるか。
残された子供達のことを考えると、普通に逝ってしまうほうがいいんじゃないか?とも思うし。
んで、自分の身近の誰かが死んで、でも誰かの中で生きているってことが、良かったとは思えないんじゃないかと思っちゃうし。
この本読んで、また同じ壁にぶつかってしまいました。
でも、日々医学は進歩してるし、そろそろ本気で考えといたほうがいいなと、改めて思いましたです。