- 作者: 桐野夏生
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2004/12
- メディア: 文庫
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直木賞受賞作だそうです。
上下巻あって、かなりな読みごたえではありますが。
主人公のカスミは故郷の北海道を捨てて東京で暮らし、結婚して子供もいて。
ある日、家族と旅行先の北海道で、娘が謎の失踪。
ひとり娘を探し続けていたカスミに、4年後、元刑事の内海が再捜査を申し出て、一緒に探し始める。
カスミががむしゃらに娘を探し続ける裏には、その旅行は浮気相手との相談の上だったからで、罪悪感とか自分でも理解できてない複雑な思いがあったから。
そこに加わった内海は、ガンで余命半年と宣告され、やはり自分でも理解できてない思いがあっての行動。
『行方不明の子供を探す』という共通の目的を持ちながら、カスミと内海、その周りの人たちのそれぞれの思いはそれぞれ違っている。
面白いかなあ?これ。
テーマは深いんだけど、上下巻にするほどの長さは必要なかった気がする・・・。
っていうか途中間延びした感があって、ちょっと飽きちゃったんですよねー。
桐野作品って、重いし、常にグレーというか、暗い雰囲気が漂う感じなんだけど、そのわりにはスピード感があるところが好きなんですけどね。
カスミの行動がイマイチ普通というか、無難なんだよなー。
多分カスミのイメージが、ミロとたぶってるせいなんだけど。
もうちょっと動かして、もうちょっと考えなしで行動させても良かったかなー?って感じかな。
浮気相手の妻にしても、内海の妻にしても、クールすぎるというか、この人の書く『妻』という女性像は、冷めすぎてて、そこはなんか「なんでそうなるの?」と深読みしてみたくなる気はするんだけど。(笑)
火の粉/雫井脩介
- 作者: 雫井脩介
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2004/08
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怖いですわ、これ。
居なそうで居る感じ。
人の中に潜む狂気って、誰にでも在りそうだもん。
善意の量りも、人それぞれってこと?と思っちゃいました。
悪気はないんだよなー、が進化すると、こんな感じになるんでしょうかねー。
殺人事件の犯人を法に基づいて無罪にしたためにふりかかった火の粉。
怖いよー。(笑)
藁の楯/木内一裕
- 作者: 木内一裕
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/10/16
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人間の屑を守るため、命を懸けて楯にならなければならないとしたら。
警察官としての使命を果たすのか、人としての正義を取るのか。
10億もらえるとしたら、自分ならどうするでしょう!
うーん、それでも私は殺そうとはしないなー。
人殺して10億もらっても、幸せには暮らせないもん。
傍観者になります、はい。