練習は楽しい。
一度取れなくても、二度目にチャレンジできる。
二度目も取れなくても、三度目、四度目と繰り返せる。
で、上がる。
できた!という達成感がある。
試合だとそうはいかない。
一度のミスが命取りになるときもある。
そうならないために、また練習する。
練習は楽しい。
サーブが入らなくても、次に打つボールを考えられる。
トスの位置。
フォーム。
じゃあこれは?じゃあこっちは?
繰り返せる。
こうすればいいのか、と納得ができる。
試合ではそうはいかない。
1本目ミスしたら、次はもっと緊張する。
で、2本目もミスしたら、相手のポイントになる。
練習は楽しい。
いろいろ試せる。
どこに上げたらどんな攻撃ができるか。
隣のポジションの誰かと、どう動いたらどうなるのか確認したり、わからないことを聞きながら確認したり。
次はその通りやってみて、「あ、ほんとだ。」と発見したり。
試合ではそうはいかない。
そんなことしてる暇がない。
当たり前だけど。
でもじゃあ試合に出ないで、練習だけしてたら楽しいか?と聞かれたら、答えはノーなんだよな。
負けたら悔しい。
凹むし、悩むし、チーム全体がなんとなく活気がなくなる。
また頑張ろうと思えるまでには、少し時間がかかる時もある。
でも勝つとそんなのが全部吹っ飛ぶ。
見事に。
試合中の問題点も吹っ飛ばす。
どんなもんだい、あたしらつえーな!と、どこまでも登っていく。(他のチームの人には絶対に聞かせられないくらいの勢いで登ってる。)
実際、貝塚が勝つときは、いくつかのミラクルと、いくつかの誰かの大暴れがあって、そういうのが出ると、試合中にもかかわらずゲラゲラ笑ってたりする。
楽しくてしょうがなくなる。
普段なら絶対につながらないボールが、なんだかつながったり。
馬女キャプテンが、HIROをつかまえてユサユサやって、「全部アタシに上げて来いってんだーっ!」と怒鳴ってたり。
試合が終わってからひとりで思い出しても笑っちゃってしょうがないくらい、ひっちゃかめっちゃかだったりする。
で、そういう試合は大抵ベンチのママもおかしくなってて、試合中にふとベンチを見るとママがゲラゲラ笑ってたりして、見てはいけないものを見た気持ちになったりする。
で、思う。
「やっぱ頑張って練習したからだな。」
って。
結局。
練習が楽しいのは、楽しくてしょうがない試合ができたことがあったからで、それは要するに、楽しいバレーがしたいってことなんだなと思う。