- 作者: 桐野夏生
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2006/09
- メディア: 文庫
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上下巻あるんですけどね、これ。
静かに始まったようで、下巻まで読むと、どよーんとね。
まあ、桐野作品のダーク桐野のほうですわ。
この人、男勝りな女性像書かせても面白いんですけど、こういう女性の陰湿な部分を書かせても、ほんとリアルで面白い。
面白いというか、気が滅入るんですよね、ダークすぎて。
でもそれだけ引き込ませるって意味で、面白いと言っておきます。
読んでて「あれ?」と気付く人も多いと思いますけど、登場人物のひとりに、1997年の事件だったそうですが、『東電OL殺人事件』の被害者をモデルにしてると思われる人が出てきます。
この事件、謎が多かったように思われますが、これに書かれてるのが取材に基づいてのことなら、ちょっとグロテスクです。
姉妹の関係とか、母娘の関係とか、女友達との関係とか、女性なら当たらずとも遠からずな部分もあるんじゃないか?と思いますが、ここまで歪むとちょっと異常です。
まあ、後半になるにつれて、歪んでるのが誰か、歪んでるようでそうでもないのが誰かが見えてきます。
だから余計にリアルです。
次に読んでる残虐記でも、派手な女性を描く小道具に、ブルーのアイシャドーが出てくるのですが、桐野さん本人は、ブルーのアイシャドーは絶対嫌いなんだと思います。(笑)
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