- 作者: 桐野夏生
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/04/14
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村野ミロシリーズの一冊。
『顔に降りかかる雨』の後日談ってことになるらしい。
(他は『天使に見捨てられた夜』『ローズガーデン』『水の眠り 灰の夢』)
今まで詳しく書かれてなかった、父親善三との真実とか、成瀬とのその後とか。
「ああ、そういえば、そうだった。」的な、続編(シリーズ)にありがちな流れがあって、続けて読んでる人は面白いと思った。
今までのシリーズでは、冷めてて投げやりでクールなミロがまあかっこいいかなー?と思ったけど、今回はかなりかっこ悪い。
なんかマジに男好きになっちゃってるし、子供産んじゃってるし、正義感なんかどこにもないし。
なるようになるさというか、投げやりすぎて流されすぎてて、「そこまで荒れちゃうなよ。」と思う。
このシリーズ、まだ続きそうなんだけど、ミロが落ちすぎちゃってて、後はどうなるの?って感じ。
今までのシリーズは面白かっただけに、ちょっと残念かな。
何が言いたいのかが不明になっちゃった感じあるかも。
しかも上下巻にするほど、内容ないし。
今まで出てきてた登場人物、友部とかも、今まではスタイリッシュなゲイだったのに、キャラチェンジしちゃったし。
しかも、チョーやなヤツになってるし。
好きだった善三も死んじゃったし、善三が一緒に暮らしてたっていう女も、最後までスゲーやな女で終わっちゃって、善三ってばこんな女に入れ込んでたわけ?って感じだし。
まあとにかく、全員がやなヤツになっちゃってて。
ああ、しかもミロが忘れられなくて、今回の全てのきっかけにまでしてた成瀬だって、最後の最後でくだらない男だったし。
ファンだった私としては、裏切られた感満載だったかな。
何のためにここまでミロたちをキャラチェンジさせたのかが意味不明だったなーと思っちゃいました。
桐野作品はもともと重めのテーマだけど、そこが好きです。
ハードボイルドにカテゴリ分けされることも多いし。
若いときはハードボイルドって全く読まなかったんだけど、年取ったら好んで読むようになっちゃいましたねー。
最後の微妙なスッキリ感が好きなのかも。(笑)